転職活動をすすめていく中で転職先の候補をいくつかに絞り、いよいよ面接日!
というところまで進んでいると、面接や履歴書作成に関しては自分なりに事前準備をしているものですよね。しかし、面接日は同時に転職先の見学ができる日でもあります。
要点を押さえて施設見学をしていないと、後々「あれ‥?良いと思って転職したけど、雰囲気が全然違った‥」「面接で聞いていた話と違って、とても忙しい職場だった‥」などのギャップが出てきてしまい結果転職に失敗‥ということもありえるのです。
そのようなことにならない為にも、見学時の見るべきポイントをチェックしておきましょう。転職先の見学はそのギャップがないかどうかの確認になるだけではなく、気になることを直接質問できる貴重な時間でもあります。
ということで今回は、看護師が転職先の見学時にチェックしておきたいポイントとマナー、見学時に質問したい内容についてお話していきます。有意義な見学の時間を過ごすための参考にしてみてくださいね。
看護師転職の病院見学
見るべきポイントとマナー
ではさっそく「看護師が転職先の見学時にチェックしておきたいポイントとマナー」について見ていきましょう。
そもそも見学ってどうやって申し込むの?
見学を申し込む主な方法は以下の3つが挙げられます。
- 病院のHPやメール、電話番号から申し込む
- 面接と合わせて同日に見学をお願いする
- 転職サイトのコーディネーターから申込みしてもらう
見学先によってはあらかじめ見学日程を設けており、その日に集まった希望者を大勢連れて施設内見学ツアーをするという病院もあります。
また、そこまで規模の大きくないところであれば大体はHPやメール、電話にて直接見学を申し込む形も一般的です。面接日が既に決まっている場合は、見学も併せて行ってもらえるか確認と申込みをしてみると良いでしょう。
3つめは転職サイトにお任せするという方法。これは担当の人材コーディネーターに見学の意思を伝えれば、日程調整も合わせて見学の申込みをしてくれます。
自分に合う方法を考えてみて、まずは申込みをしてみましょう。
とにもかくにも、まずはマナー!から
第一印象(服装、挨拶)
見学時はあなたが転職先をよく見ているように、病院側もあなたのマナーや人となり、常識があるかどうかなどをチェックしています。見学中に出会うスタッフや患者さんには必ず誰にでも挨拶しましょう。
また見学とはいえ、立派な転職活動の一つです。基本的にはスーツで行きましょう。
見学先から「ラフな格好で構いませんよ」とあらかじめ言われている場合でも、落ち着いた色合いのジャケットやスカート、パンツスタイルにすることをおススメします。
鞄についてもリクルート用や落ち着いた色合いのものを選びます。靴は、高いヒールではなく低めのパンプスや男性であれば革靴が良いでしょう。
細かいようですが、病院見学は面接と同じような気持ちで臨みましょうね!
当日の持ち物
見学だけの場合、最低限必要なものは筆記用具、メモ帳、印鑑などです。同日に面接も予定している方はこれに加えて履歴書、職務経歴書なども持参しましょう。
追加で、見学先までの乗り換えをメモした用紙、携帯の充電器やストッキング、靴下の替え、髪ゴムなどは不測の事態に備えて持っておくと良いかもしれませんね。当日何があっても困らず見学先へ余裕を持って行けるように準備はしておきましょう。
事前の下調べ
やみくもに見学の日時を取り付けてとりあえず行ってみる!というスタンスでは相手側にも失礼に当たりますし、せっかくの機会を無駄にしてしまう可能性が高いです。事前に見学先の下調べをしていくことはマナーであり、最低限の常識でもあります。
しかし、下調べと言っても綿密に細部まで調べる必要や過度の緊張は必要ありません。HPやパンフレットなどに一度目を通しておくだけでも当日の心持ちが変わります。
そして実際の見学時にあらかじめ情報収集しておいた内容を織り交ぜながら質問や会話をしていくと、見学先への好印象に繋がるでしょう。
【質問例】
「HPに去年〇〇という最新の医療機器を導入された、と記載されていましたが、実際に稼働しているのは月にどれくらいになりますか?」
「パンフレットに患者さんが少しでも豊かな気持ちになるように院内のあらゆる場 所に植物を植える取り組みをしているとありましたが、今日実際に見学させていただいて、本当に緑豊かな環境だなと感じました」
見学時に見るべきポイント
看護師転職の見学と言われても、何を見ればいいの?という方もいると思います。ここからは看護師転職の見学で見ておくべきポイントをまとめてみましょう。
職場の環境、業務内容、勤務体制
まず見ておきたいのは「職場の環境、業務内容、勤務体制」についてです。
- 通勤時間はどれくらいかかるのか
- 残業時間や業務の忙しさ
- 院内保育や託児所の有無
- 看護方式、看護体制
まずは、実際に自分が見学先で働くことを想定した上で見ていきましょう。通勤時間は1時間程度でも、乗り換え回数やバスの利用があるなど不便さが出てくるかもしれません。本当に負担なく通えそうか、当日に通勤ルートを歩いてみましょう。
また、残業時間やちゃんと時間内に記録する時間はあるのか?働いているスタッフの様子から見える部分もあると思いますので、チェックしてみましょう。
残業時間については直接質問してみると良いです。看護部長が現場の残業状況を把握していない様子や話を濁す場合は残業が多い職場とも見て取れます。質問した際の相手の表情や様子も見ておきましょう。
また家庭を持つ看護師であれば託児所などが施設内に併設されているのか、自分も利用することは可能なのか?なども質問してみて、出来れば託児所内の見学もできると良いですね。
さらに看護方式も重要なチェックポイント。一人当たりの看護師につき何人までの患者を担当することになっている配置なのか、チーム式なのか、業務別式なのかなど確認しておきたい点です。全く未知のやり方であれば一から勉強しなおす必要がありますし、経験がある看護方式であれば転職後もスムーズに業務に打ち込めるはずです。
休日・福利厚生
季節休暇やリフレッシュ休暇、年間休日、有休消化率なども確認しておきたいポイントです。
実際に夏休みなどの季節休暇がありますと明記されている職場でも実際に蓋を開けてみれば、ただの有休消化に使われるだけだった‥といったケースもあります。想定していたよりも休日が少ない!という事態を避ける為にもしっかりと確認しておきましょう。
また休日に関しても同様。週休2日制と完全週休2日制では言葉は似ていても、内容はまるで違いますよね。知らずに入職して損をしないように知識も必要になります。
もし、こうした知識には自信がないという人は、転職サイトを利用すると、このような質問は人材コーディネーターにお任せできるので気が楽ですし、手間が省けますよ。
教育面
しっかりとした教育体制が整っている職場は看護師をきちんと一人前のスペシャリストに育てようとする意気込みが現れているということになります。
ステップアップして大学院に進学したい、専門看護師や認定看護師になりたいと思った場合、その思いを職場が支援・フォローしてくれる体制や制度があるのか確認しておく必要があります。
入職後にそのような制度がないと知った場合、今後のキャリアアップを阻まれる事態になってしまいますよね。そうならない為にも教育面は是非質問しておきたいポイント。キャリアアップを望まない人でも自分の看護スキルを上げていく為に非常に重要なので、確認しておいて損はないでしょう。
ハード面
看護師転職の病院見学で意外と見落としがちなのが、このハード面の確認。
ハード面がある程度整備されていないと、入職後に精神的にも身体的にも地味に負担がかかることになるので、要チェックです。
紙カルテなのか電子カルテを使用しているのか?、PCの台数は足りているのか?、職員用トイレは同じフロアにあるのか?、病室の構造(何床のベッドが部屋に配置されているのか?)、休憩室(一人一人座れる広さはあるのか?)、更衣室(個別にロッカールームが与えられるのか?)、仮眠室(ベッドは配置されているか?)など、実際に働く上で不便がない職場環境かどうか確認しましょう。
スタッフの年齢層
看護師転職の病院見学では、実際に働いているスタッフの年齢層や男性職員の比率などもチェックしておきましょう。
またスタッフ同士で声かけや挨拶をしているか?、コミュニケーションをとっているか?、挨拶した際にちゃんと返してくれるか?、表情は硬くなりすぎていないか?患者さんに対する態度はきつくないか?、などチェックする点は沢山あります。
共に働くことを想定して、スタッフの動向にも目を向けてみましょう。きっと気付くことが沢山あるはずです。
看護師転職の病院見学
聞いておきたい質問はこれ!4つの質問とは?
見学時は疑問点があればその都度質問するようにしましょう。中でも絶対に聞いておきたい質問は次の4つ!
- スタッフの平均年齢、男女比
- 看護師の平均在職年数
- 病院の病床数とベッド稼働率、空床率
- 勉強会の有無
一緒に働くスタッフのことは非常に気になりますよね。
また、家庭をもつナースであれば、急な事態にもフォローしてくれる体制は整っているのか(人員は充足しているか)、同じママさんナースは他にも在籍しているか、幅広い年齢層の看護師がいるかなどもチェックしたいところです。
そして、なかなか聞きづらいかもしれませんが看護師の在職年数も大事なポイント。5年以上在籍している看護師がどれほどいるのか、また今後結婚・妊娠・出産する場合、復帰して働いているナースはどれくらいいるのか等も聞けるとよいでしょう。
さらに病院の稼働率も気になるところ。稼働率が常時100%を超えていたり、常に80%を下回っているような病院だと多忙すぎたり、給与やボーナスにも影響してきます。
最後に勉強会について。任意参加でない勉強会が頻繁にあると、家庭を持つママさんナースや通勤に時間がかかる人には負担になってしまうもの。勉強会の頻度や強制参加の有無など確認しておきたいですね。
看護師転職の病院見学
見学後のお礼状は必要?いらない?
基本的に見学をさせていただいた後はお礼状を送ることがマナーとなっています。
しかし転職サイトを利用している場合には送らなくてもOKなケースがほとんど。人材コーディネーターと呼ばれる転職支援のスペシャリストが見学時のお礼まで担ってくれる<./span>のです。
個人で見学を申し込んだ場合は、お礼状やお礼のメールを送りましょう。面接官や人事側に好印象を持ってもらうことが大切です。良い印象を持ってもらえれば「あの時の印象の良かった看護師さんだな」と覚えてもらいやすく、入職の際にも非常に有利になるはず。
特に転職の繁忙期といわれる1~3月、8~10月頃に転職活動をする場合はお礼をすべきです。
新年度や人事異動で転職者を新たに募るこの時期は、他の転職者と面接も見学も重なることが多く、個々人はどうしても印象に残りにくい時期。そんなときにお礼状やお礼のメールをすることで、面接官の記憶に残りやすくなります。
このひと手間が、他の転職者と差が付けられるかもしれません。たかが見学と侮らず、ここまでが見学時のマナーと覚えておきましょう。
看護師転職の病院見学
病院見学は最低でも2か所見よう!
どうしてもこの病院がいい!と心に決めている転職先があったとしても、比較検討するために見学する転職先候補は2,3か所見ておきたいものです。
初めから1か所に決めてしまうと、何の疑いもなく「ここが良いはずだ!」と思い込んでしまい、入職後にギャップが大きく転職失敗してしまう可能性が高くなります。それを回避するためにも、見学は複数見ておくことを強くおススメします。
「〇〇科の勉強がしたい」と配属先の希望がある場合は、同じように希望する科がある病院をメインの他に1,2か所見ておくと良いです。
見学してみると、同じ科を扱う病院でも見学先によって対応や方針などが異なるものだなと感じることでしょう。
また複数見学することにより自分の熱い思いも一度落ち着いて冷静になり、先入観に左右されず比較検討することができるのでおススメですよ。
看護師転職の病院見学で見るべきポイントとマナー:まとめ
今回は看護師転職の病院見学時に見るべきポイントとマナーについてお伝えしてきました。転職活動をしていく中でも、意外に軽視されがちなテーマだったのでは無いでしょうか?
今回は病院見学をイメージしてお伝えしたので、老人ホームやデイサービスなどの見学であれば変わってくるポイントもあるかと思いますが、基本的なマナーや押さえておきたいポイントは同じ。
見学時のマナーやポイントを押さえることで、みなさんの今後の転職活動がスムーズに進み、転職が成功することを応援していますね。